金地金支払調書制度

支払調書は、支払の明細を記入して税務署に提出を義務付けられている法定調書のひとつです。

金地金やプラチナ地金などの取引では「金地金支払調書制度」により、1回の取引額が消費税込で200万円を超えると業者が税務署へ支払調書を提出しなければなりません。

これにより、譲渡所得があったことが明らかとなり年間の所得税に加算されて徴収されることになります。

支払調書が法整理された理由

税務署が実施する税務調査において、金地金やプラチナ地金などの譲渡所得の申告漏れが多数みられるようになりました。

そのため、脱税、所得隠しを防止するために税務局が譲渡所得の状況を把握するために法整備されたのが支払調書制度です。

根拠となる「所得税法第225条第1項第14号」には、支払調書提出義務がある対象者として「金地金等の譲渡の対価の支払をする同条に規定する支払者」と規定されています。

支払調書に記載される内容

支払調書には、200万円を超える金地金などの売却、交換を行った所有者本人の住所、氏名のほか、マイナンバー、金地金等の種類、重量、数量、支払金額、支払確定年月日が記載されます。

また、200万円を超える取引では、業者から本人確認書類や銀行口座がわかる書類などの提出を求められることもあるので準備しておきましょう。

支払調書を提出する対象となる商品

支払調書は年間取引総計ではなく、1回の取引額が200万円を超えた場合に業者から税務署に提出義務が生じます。

対象となる商品は金地金、プラチナ地金、金貨、プラチナ貨であり、銀地金や金製ネックレス、金製のおりんなどは含まれません。

このような商品の買取手数料などを差し引く前の金額が200万円を超えた売却、交換を行った場合に支払調書の提出義務が生じます。

支払調書の対象になる場合

時価500万円(消費税込)の1kgのインゴットを売却する場合に、支払調書の対象となる場合についてみてみましょう。

■インゴットのまま売却
譲渡益500万円 → 1回の取引額が200万円を超えるので支払調書が発生

■インゴットを10本の100gバーに分割した場合
4本以上を売却(譲渡益200万円以上) → 1回の取引額が200万円を超えるので支払調書が発生

分割加工しても1回の取引額が200万円を超えれば支払調書の対象となります。

支払調書の対象にならない場合

時価500万円(消費税込)の1kgのインゴットを10本に精錬分割加工して売却する際、支払調書の対象とならない場合についてみてみましょう。

■1本~3本売却
譲渡益(50~150万円) → 1回の取引額が200万円を超えないため支払調書必要なし

支払調書は1回の取引額が200万を超える場合のみ必要となるため、1回に3本までの売却を分けて行うことで年間の取引額が200万円を超えても支払調書を提出する義務は発生しません。

まとめ

金はインゴットのままでなく分割することで1本約50万円での売却が可能となります。1回の取引額を200万円以下として、数回に分けて売却すれば年間取引額に関係なく支払調書を提出する必要はありません。

つまり、譲渡所得が加算されることなく売却益を得ることができるということになります。賢く金を売却するなら分割がおすすめです。

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